青花蓮池鴛鴦文鉢
せいか れんちえんおうもん はち景徳鎮窯 元時代・14世紀
高13.8㎝、口径29.8㎝
住友グループ寄贈(安宅コレクション)
撮影:三好和義
元時代の青花磁器は、西アジア向けの交易品が生産の中心で、当地の習慣にあわせた大型の壺や盤、瓶などの器形が作られたことが知られています。顔料には西アジアからの輸入コバルトが用いられ、器表全面にいくつかの区画を設けて余白をほとんど残さない文様構成も、西アジアの金属器などと共通します。本器では珍しく内壁に大きく白地帯が設けられ、他の作品とは印象が異なるものとなっています。この白地部分によって、文様の藍色はより一層鮮やかに引き立ち、大きな円圏が池そのもののようにも感じられます。蓮池に泳ぐ鴛鴦の図は、夫婦円満と子孫繁栄の吉祥の意味を表します。