色絵金彩「ヴィクトリア」文ティーセット
1850年頃
ポット:高11.5㎝、カップ:口径13.0㎝、菓子皿:口径21.0㎝
ヘレンド磁器美術館蔵
1851年のロンドン万国博覧会への出品作品に、中国・清時代の粉彩磁器をお手本にしてヨーロッパ風に変化させた花蝶文を表したものがありました。ヴィクトリア女王は、文様の新鮮さと愛らしさ、鮮やかな色彩に目を奪われ、ウインザー城用にディナーセットを注文します。このディナーセットが万博で1等賞を獲得したことにより、ヘレンド窯は国際的な名声を確立することになりました。この花蝶文は、女王の名にちなみ「ヴィクトリア」文と呼ばれるようになり、今日でもヘレンド窯を代表するモチーフのひとつとなっています。このティーセットのうち、ポットの把手は木材による修復ですが、丁寧な成形と取り付け方法から、本作が長きにわたって大切に取り扱われてきたことがうかがえます。