多彩釉刻線文鉢
たさいゆう こくせんもん はち9~10世紀
径:高35.3㎝
高田早苗氏寄贈
大阪市立東洋陶磁美術館
淡褐色の胎土に白化粧をして幾何学文を線刻し、鉛釉系の緑釉、褐釉、紫釉、透明釉などをかけて焼成したものです。白化粧の上に鉛釉をかけ分ける手法から、唐三彩や遼三彩との関わりが指摘されています。多彩釉陶はエジプトからミソポタミア、イラン、中央アジアにかけて広い範囲での作例があり、産地によって特徴が異なります。本作品は、胎土の色や胴裾と高台内を深く削った器底部の作りなどから、イラン東部ニーシャープール周辺の産と考えられます。