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四代田辺竹雲斎(1973—)2019年
虎竹
写真 渞忠之
日本の竹工芸は、線で構成された軽やかな造形が魅力であり、現代アートとして捉えなおされて国際的に高く評価されています。なかでも、ダイアン&アーサー・アビー夫妻が収集した竹工芸は世界屈指のコレクションとして知られ、2017年から翌年にかけてメトロポリタン美術館において開催された“Japanese Bamboo Art: The Abbey Collection”(「日本の竹工芸:アビー・コレクション」展)で紹介されました。その展覧会を再構成した本展では、アビー・コレクションから近現代の竹工芸品75件を、当館の陶芸コレクションとともに展示します。
さらに、大阪の誇る現代作家、四代田辺竹雲斎氏(1973-)によって、美術館の吹き抜けの空間を活かした巨大な竹のインスタレーションが、大阪会場のため新たに制作されます。古くから竹工芸の産地として知られる大阪の地において、竹による軽やかな造形表現の魅力、そして工芸という領域の広がりと可能性をお楽しみください。
特別展 「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション-メトロポリタン美術館所蔵」
令和元年12月21日(土)~令和2年4月12日(日)
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、 令和2年2月29日(土)から臨時休館しております。
月曜日(ただし1月13日、2月24日は開館)、
12月28日(土)~1月4日(土)、1月14日(火)、2月25日(火)
大阪市立東洋陶磁美術館
午前9時30分~午後5時
※12月21日(土)、12月22日(日)は午後7時まで開館
※入館はいずれも閉館の30分前まで
大阪市立東洋陶磁美術館、NHK大阪放送局、NHKプラネット近畿、毎日新聞社
NHKプロモーション
Ueki & Associés
日本航空
imura art gallery、夢工房
一般1,200円(1,000)、高大生700円(600)
※( )内は20名以上の団体料金
※中学生以下、障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含む)、大阪市在住の65歳以上の方は無料(証明書等提示)
※特別展の料金で館内の展示すべてをご覧いただけます。
75件
[特集展]受贈記念「木村盛康―天目のきらめき」
[平常展]中国陶磁、韓国陶磁、鼻煙壺
大阪市立東洋陶磁美術館
TEL.06-6223-0055 FAX.06-6223-0057
2019年
虎竹
写真 渞忠之
1922年
高さ 27.5㎝
The Abbey Collection, “Promised Gift of Diane and Arthur Abbey to The Metropolitan Museum of Art.”
Image © The Metropolitan Museum of Art.
清時代・乾隆年間(1736-1795)
景徳鎮窯 高さ 32.8㎝
住友銀行寄贈 大阪市立東洋陶磁美術館(登録番号01010)
本展では、アビー・コレクションと、器形などに関連のみられる館蔵品を組み合わせてご覧いただきます。例えば、魚形の耳がつけられた精緻な唐物写しである本作(上)と《茶葉末釉双耳方形瓶》(下)は、制作された時代や素材は異なりますが、器形が類似しています。後者が古代の青銅器の姿を写したように、竹工芸においても青銅器や陶磁器、漆器などから影響を受けて、質感を模しながらもその違いを楽しんだのかもしれません。本作(上)を制作した初代田辺竹雲斎(1877-1937)は、大阪の初代和田和一斎に師事し、柳沢淇園(1704-1758)の描いた花籃図に想を得た柳里恭式(りゅうりきょうしき)花籃や、古矢竹を用いた作品などでも知られています。
1880-1890年代頃
高さ 13.7㎝
The Abbey Collection, “Promised Gift of Diane and Arthur Abbey to The Metropolitan Museum of Art.”
Image © The Metropolitan Museum of Art.
初代早川尚古斎(1815-1897)は、大阪を拠点に活動し、同時代の文人や数寄者と交流して煎茶道具を多数制作しました。大阪における籃師の第一人者として活躍した尚古斎は、竹工芸家として初めて自身の名を作品に記したとされています。また、唐物籃制作の知識と高度な技術を生かして、新しい造形にも挑みました。本作もその一つで、西洋風の山高帽を、籐を用いて編んでいます。明治時代の歌舞伎役者・九代目市川團十郎(1838-1903)が好んだことでも知られています。
2018年
高さ 182.0㎝
The Abbey Collection, “Promised Gift of Diane and Arthur Abbey to The Metropolitan Museum of Art.”
Image © The Metropolitan Museum of Art.
長倉健一(1952-2018)は、1982年に沼津で個展を開催して以降、国内外で多くの個展やグループ展に出品し、自由な造形感覚による有機的なイメージの立体造形作品を発表しました。先史時代の芸術様式や20世紀の西洋の彫刻家の影響を受け、自然そのものから着想を得たとされる長倉の作品は、竹の特性を生かした彫刻作品として位置づけられています。2000年には、コッツェン・バンブー賞の第1回グランプリを受賞し、その名声を確たるものにしました。本作は、わずかにのぞく上部の竹節と、細いひごを編み上げた下部により、ほっそりとした女性の姿を表しています。
1920-1930年代頃
全長 124.0㎝
The Abbey Collection, “Promised Gift of Diane and Arthur Abbey to The Metropolitan Museum of Art.”
Image © The Metropolitan Museum of Art.
1955-1965年頃
高さ 62.0㎝
The Abbey Collection, “Promised Gift of Diane and Arthur Abbey to The Metropolitan Museum of Art.”
Image © The Metropolitan Museum of Art.
2008年
高さ 78.7㎝
The Abbey Collection, “Promised Gift of Diane and Arthur Abbey to The Metropolitan Museum of Art.”
Image © The Metropolitan Museum of Art.
1910年代頃
高さ 41.9㎝
The Abbey Collection, “Promised Gift of Diane and Arthur Abbey to The Metropolitan Museum of Art.”
Image © The Metropolitan Museum of Art.
1940年代頃
高さ 19.2㎝
The Abbey Collection, “Promised Gift of Diane and Arthur Abbey to The Metropolitan Museum of Art.”
Image © The Metropolitan Museum of Art.
2014年
高さ 66.0㎝
The Abbey Collection, “Promised Gift of Diane and Arthur Abbey to The Metropolitan Museum of Art.”
Image © The Metropolitan Museum of Art.
「MOCO PASSPORT(年間パスポート)」は、大阪市立東洋陶磁美術館に1年間何度でもご入館いただける年間パスポートです。世界的に高く評価されているコレクションから、幅広いテーマで企画される特別展まで、心ゆくまでお楽しみください。
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