黒田泰蔵
壺
2019年
白磁
高26.9cm 幅21.2cm
大阪市立東洋陶磁美術館所蔵(孫泰蔵氏寄贈)
登録番号05655
Photograph by T. MINAMOTO
黒田泰蔵は、白磁の制作を始めた45歳の頃に「轆轤成形、うつわ、単色」という条件を決めて制作するようになりました。轆轤で成形することによって、自律的に、回転体で縁の立ち上がるかたち―すなわち「うつわ」となります。かたちとしてのうつわは、必ずしも実用を前提としておらず、作家は、そのかたちを美しい抽象的な形態として捉えています。本作は、小さな口に張った肩をもち、胴裾にかけてすぼまる、黒田の「梅瓶」として知られるかたちです。丁寧に磨かれた滑らかな表面と、豊かな曲線による均整のとれたかたちは、黒田作品の特徴をよく表しています。